山の心臓 / Heart of the mountain

髙島 圭史 / Takashima Keishi

杉木立の中を行く急登の山道を抜け、岩壁をロ-プ伝いによじ登り、山頂直下の踊り場のような場所につくと、巨大な杉の木が現れました。
その木陰で一息入れようと腰を下ろせば、ひとけのない山中で自分の息と鼓動ばかりがやけに大きく聞こえてきました。
水を飲み、呼吸を整えているうちに、大きな木もたくさんの水、空気、光を吸ったり吐いたりしているイメージがよぎりました。
その樹形もあいまってか、ふとその木がその山の心臓のように思えました。

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